心身相関って知っていますか

心身相関って知っていますか

 心を治療するというからには、心の不健康な状態があると言うことです。心の不健康な状態があるのですから、心の健康状態があるということになります。当たり前のことと思われるかもしれませんが、一般の人に限らず精神科医や心理の専門家でさえ、心の健康や不健康とは、どのような心的状態をいうのかを明確に分かっている人は少ないようです。この点をはっきりしていきます。今現在、心が不健康で苦しんでいる人も悩んでいる人も、それが分かるだけでも楽になれると思います。

 心が不健康になるというのは、脳の働き(機能)が失調した状態になることです。脳失調と言います。fMRIといったレントゲンとコンピュータを連動する最新のアーキテキュチュアーを駆使すると、脳がどのように働いているのか分かるようになりました。心が不健康な人の脳をfMRIの画像で見ると、赤くなるはずのない部分が真っ赤になっていたり、赤くならなくてはいけない部分が青くなっていたりして、心の健康な人のfMRI画像と比べると、異変が起きていることがよく分かります。これが脳失調と、それが回復されないまま持続している状態の実態です。

 さて、ここからが精神医学と臨床心理学とでは、理解の仕方が大きく違ってきます。脳が失調するから心が不健康になるのだというのが精神医学の基本理解です。ですから、精神科医は脳失調が正常になるように投薬します。さらに、脳機能が正常になれば、心も健康になるはずと了解しています。臨床心理学では、心が不健康になるから、脳失調が起こるのだと理解し、さらに、脳機能が正常になっても、心が健康になるとは限らず、心が健康になってはじめて脳失調が無くなると理解するのが基本です。

 この心の不健康(心)と脳失調(身)との関係は、古来より、「悲しい(心)から、涙がでる(身)のか」「涙がでる(身)から、悲しい(心)のか」という心身問題として論争されてきたことと同じ線上のものです。現在では、その両方が在ることが証明されています。それは、私達の日常体験で考えてみても分かると思います。胃(身)が変になるから不安(心)になることもあるし、不安(心)だから胃(身)が変になることもあります。このように心から身体、身体から心へという相互の作用関係があることを「心身相関」といいます。精神医学の理解も、臨床心理学の理解も、両方正しいのですが、一方だけが全てではないということです。心の治療では両方があって一つのものになるということで、精神科医療と心理療法やカウンセリングを併行して行う必要があることの理由でもあります。

 こういったことをわきまえて、心理療法は臨床心理学の理念に沿って、心から身体(脳)の作用を扱っていくものだということを明確にしておきましょう。

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